Obsidianを含むノートアプリは「第2の脳」と呼ばれることもあるが、私にとってはまず第一に付箋や手帳の延長だ。
とりあえずメモしておかないと忘れるのだから。忘れっぽいのだ。
そしてメモした中から「いつかやること」ToDoをチェックすることも大切だろう。なにせ「そんなToDoをメモしたっけ?」とメモしたことさえ忘れてることもあるのだから。
Obsidian Tasksプラグインは、個々のタスクに期日や繰り返し設定などを追加できる仕組みを持ち、さらにVault(Obsidianファイル格納場所)全体から条件をつけて抽出一覧が可能になる。
どこのノートにタスクを書いたのも、そもそもタスクの存在自体を忘れていてもお構いなしに追跡できる、本当にありがたいプラグインだ。
今回は、私のValutでタスクの運用方法を変更した経緯を記事にしてみた次第。自身への振り返りも兼ね、思考の過程を含みます。
ひとつのサンプルとして参考になれば幸いです。
「いつかやること」のTodoに対して、「期限の定められたやること」のタスクは別物だけど、ここでは以下まとめてタスクとしておきます。
達成だけがタスクではない
いつも通り影響を受けやすい吉田
オーピーさんの一連のObsidian記事はとても参考になりますが、特にタスクについて揺さぶられたのは次の言葉でした。
タスクに対してノートが割り当てられるので、タスク中に得られた重要な情報や過程を残して他のノートにリンクさせることでトレーサビリティが向上します。
確かにタスクは「特定の事柄を達成した・してない」ことを管理するのが主眼だけど、その前後や過程の記録が自分の財産じゃないか!と。
タスクがなぜ割り当てられたのか、そのタスク達成までに過程が無かったか、タスク達成で得たものや感想はないのか、といった振り返りなしでタスクをただ無為に作って達成してるだけだと、何も残らないことになる。
実際、Tasksのみで運用していても、いくつかのタスクは別のノートを作ってタスクにリンクさせる手間がたまに発生したので、これを改良したいと思っていた。
まずは自分の使い方をまとめる
タスクはObsidian単体でもそれなりに使えるが、多種多様なプラグインで利用方法を拡張もできる。
私はTasksメインで運用しているが、この機会に改めてタスク関連の見直しとプラグインを試した。そうして自分のタスクの使い方が定まった。
- 習慣管理を厳密にやらない
「Obsidian:吉田のデイリーノート、24年冬」でも紹介したが、緩い習慣管理としてDataview+プロパティを使うことに留めた。 - タイムスケジュールは使わない
旅行や出張でも無ければタイムスケジュールを使う人間ではないので、Day Plannerのような時間管理は行わない。 - カレンダーも使わない
当初は見栄えのよいProjects系プラグインの導入も検討したが、現状カレンダーを使うほど予定のある生活でないため。せいぜい Tasks Calendar Wrapper があれば足りるかな? - 進捗状況を刻まない
仕掛中かどうかだけで良いと判断したので、Tasksの機能で足り得る。
結果として、現状のTasksプラグインだけで問題なく、運用方法の変更で対応できそうと判断した。
1タスク1ノート運用
変更案
- タスク個別にノートを生成し、そこにタスクチェックを書き込む。
- タスクが細分化できるものであり、かつ別に1ノート設けるまでではないと判断するなら、子タスク孫タスクもそのノートに併記する。
- タスクに関連するノートへのリンクやタグを適宜記載する。
- タスクの詳細(タスクの理由、問題点ややることの洗い出し、進捗状況、結果、結果より得たもの)は適宜ノートに残す。
- タスクの書き込みは現状 AutoHotkey で外部フォームから投げ込んでいる。
→「AutoHotkeyで外部からObsidianにメモを投げる」 - 書き込み先は Task_YYYY-MM.md だったが、個別のノート生成ということで Task_YYYY-MM-DD_hhmmss.md に変更。
- 生成先も未分類として /4_NoIndex/41_FleetingMemo/ 以下とした。
- タスクの詳細が発生したタイミングでノート名を適宜変更し、 /3_Index/ 以下に分類しなおす。
メリット
- 個別のタスクをただ達成したではなく、掘り下げやすくなる。
- タスク前後の過程の資料や記録を残せる。
- タスク達成によって得たものを文字化して認識する。
- タスクのノート化によってそこからリンク網を構築できる。
デメリット
- ささいなレベルのタスクでもノートが作られる。
- 個別のタスクを整備する手間が発生する。
- 結果として個々のタスク作業が重くのしかかってくるのでは?
そもそもメモ記載やタスク追加の大半を、私は自家製AutoHotkeyのスクリプトでこなしている。ただ同様の動きはObsidian上では QuickAddプラグインで再現できると思う。
しばらく使ってみた感想
ほぼ問題ない。
むしろこれまでタスクとノートが分離していた幾つかの例をひとまとめにすることができ、「1つの事柄を1つのノートに」という形が進んだと思う。
また変更前の月次タスクノートはタスクが書き込まれるだけで、そのノート自体は省みられないという存在だったが、それが解消された。
もちろん些細なタスクまでノートが作られることになっているが、それが些細なノートで終わるかは将来わからないし、終わったとしてもそれほど影響はないかな。たまにまとめて処理すればいいし。
1点だけタスク一覧で困ったので、手間(AutoHotkey側で処理)と見た目の諦めを入れた。
- Tasksのshort mode表示だと期限日付きタスクの期限日が表示されない(オンマウスすれば小さく表示が出る)。
```tasks
not done
has due date
hide created date
hide task count
short mode
```
- しかしshort modeをやめると、タスクノートへのリンクを含む不要なノートタイトルが表示される。
```tasks
not done
has due date
hide created date
hide task count
```
- リンクを非表示にすると、そのタスクノートに飛べない(リンクアイコンも表示されない)。
```tasks
not done
has due date
hide created date
hide task count
hide backlink
```
最終的にAutoHotkeyからノートにタスクを記載する際に「📅YYYY-MM-DD」がある場合は、AutoHotkeyが代用の表示「🚩YYYY-MM-DD」を追記して、タスク一覧の際は📅を非表示にした。
```tasks
not done
has due date
hide due date
hide created date
hide task count
short mode
```
結果としてタスクノート側は期限が2つ表示されるちょっと長ったらしい表示になった。まぁこっち側でタスク欄をまぢまぢと眺めることは無いから良いかな。
これでまた自分のデジタルガーデンが一つ成長した。
傍目には何も残せてない、あくまで自己満足の世界だけれども(笑)